信州の風土と麹 ― 発酵が育てる土地の味

― 信州だからこそ育つ発酵文化


信州には、発酵の文化があります。


寒暖差の大きな気候


澄んだ水


清らかな空気


この土地は古くから、味噌・醤油・酒など、麹を中心とした食文化を育ててきました。


当館のオーナーは、上級麹士として発酵を学ぶ中で改めて”信州”という土地の力を感じました。




麹は「生きている」


麹は調味料ではありません。


菌が呼吸し、変化し、時間とともに味を育てていきます。


人が急がせることはできません。


これは旅にも似ていると感じます。


日常の忙しさを離れ、ゆっくりと身体が整っていく時間。


発酵とは、目に見えない力が静かに働き、素材も人も本来の姿へと戻っていく過程です。


余分なものを削ぎ落とし、内側から整えていく自然の営み。


麹が時をかけて旨味を引き出すように、旅のひとときもまた、人の心と身体をやわらかくほどいていきます。


急がず、抗わず、自然に委ねること。


その先にこそ、本当の豊かさが生まれるのだと私たちは考えています。


 

信州と発酵の相性


信州の冬は厳しく、夏は爽やかです。


この環境が雑菌の繁殖を抑え、麹菌が穏やかに働く条件を生みます。


だからこそ信州味噌は全国的に知られ、発酵文化が根付いてきました。


旅庵川喜では、この土地の恵みを料理にも取り入れています。


例えば、4種類の麹(米麹・玄米麹・麦麹・黒麹)をつくり、3ヶ月から約1年間発酵させた自家製味噌や、信州の野菜と合わせた塩麹など、

料理だけではなく、デザートなどにも積極的に活用をしています。


旅館で味わう「整う食」


発酵食品は、身体を内側から整えます。


旅の疲れを癒し、翌朝の目覚めを軽くします。


豪華さではなく、身体が喜ぶ食事を私たちはご提供しています。


信州の新鮮な恵の野菜やきのこ類、肉や魚と麹を混ぜ合わせることで、他にはない食をお楽しみいただけます。




発酵も、おもてなし


麹は時間をかけて相手を想う文化です。


見えないところで働き、静かに価値を生み出します。


それは旅館のおもてなしと同じ姿だと私たちは感じています。


信州の風土と麹。その出会いが、旅庵川喜の味を形づくっています。


麹づくりから、様々な発酵食材を取り入れた旅庵川喜ならではの「食」をぜひ体験しにお越しください。

 



 

信州大町温泉郷

旅庵 川喜

執筆:川面 喜昭